anzuのブログ

\(^▽^)/

ガザの美容室


渋谷アップリンクで「ガザの美容室」を観ました。



戦闘シーンの無い戦争映画がこれほどまでに
リアリティを持って胸に突き刺さるとは思わなかった。

パレスチナ問題はもう70年近く続いている。
根深い恨み辛みがずーーっと渦巻いている。

平和が一番!なんて軽々しくは言えない。
いや、もちろん平和が一番良いに決まってはいるけど。

親や子供、親戚、意味も無く殺された心情がお前には分かるか?
って問われたら、きっと平和、平和叫んでた口も黙ってしまうだろう。
意味も無く戦争によって殺される状況が代々続いているのだ。

映画の中で信心深い女性が
「こんなに真面目に神に仕えているのにどうしてこうも苦しめるの」
と。生まれた時からずっと内戦状態の国にいなくてはならないのは
どんな気持ちだろうか。特にガザ地区イスラエル軍
封鎖されているから逃げる事すらできないのだ。

映画の舞台は美容室だけである。
その中で最初の方は女性同士の他愛も無い会話のシーンが続いて
後に外では戦闘が始まり銃の音、爆弾の落ちる音、男たちの
叫ぶ声が聞こえてくる。

戦闘シーンが無く、音だけの演出が余計に戦争の虚しさを
浮き彫りにする。一体何の為に一生懸命に戦争してんだ?って
戦争に意味なんて無いのは分かってはいても。

女性達は戦争中であっても髪を切り、結婚式の準備をし、化粧をし、
オシャレをし、変わらぬ日常を送る事が精いっぱいの抵抗なのかも
しれない。そんな抵抗もやっぱり内戦中というモヤモヤした中で
美容室内でも喧嘩が起こる。そこで店主の女性は
「喧嘩なんて外の男たちと一緒よ!」と一言。
争なんてそんな些細な痴話ゲンカのようなものなんだと
ハッとさせられる。

パレスチナイスラエルの問題、100年後には解決
してるだろうか?今のままだと永遠と内戦状態なんじゃないかとも
思ってしまう。平和って言葉がとても安っぽく感じてしまうような
闇深く私なんぞがどうこう出来る問題では無いけれど
やっぱり平和を願ってしまうのは美容室に集う女性達と同じ気持ち。

女性だけで政治やらした方が案外どの国もうまくいくのかもね。
そんな事を思いながら映画を観終えました。

派手なシーンなどは一切無いけど静かに反戦を訴えかける
とても良い映画でした。