anzuのブログ

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世界で一番美しい少年⭐︎新宿シネマカリテ

12月22日(水)

 

 

公開されると知った時から絶対に観に行こうと決めていた映画。

「ベニスに死す」の監督ルキノ・ヴィスコンティが「世界で一番美しい少年」と言ったことから、ビョルン・アンドレセンの破滅の人生が始まってしまったように感じます。

 

 

 

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この映画の中で、ヴィスコンティはゲイという事を知りました。作品の数々を観ていれば、あぁ。なるほどね。って、さほどビックリはしませんが、「ベニスに死す」のスタッフ達も皆、ゲイの方々だったそうです。そんな中、ヴィスコンティは「俺以外、アンドレセンを見るな!」と言い放ったとか・・・独り占めしたいぐらい美しかったのでしょう。確かに「ベニスに死す」のアンドレセンの役名、タージオはホンっとに美しいです。当時のオーディションの映像を見ましたが、アンドレセンが出てきた瞬間、ヴィスコンティが、一監督では無く、ゲイの目線になってました。挙句の果てに上半身を脱げと言い出す始末。最終的にはパンツ一丁に(;^ω^)完全にゲイ目線でしたね。

 

 

だけど、「ベニスに死す」のタージオは今見ても美しすぎる。ヴィスコンティがこの上ないぐらいに美しく撮ってるんだから本来の美しさ以上の仕上がりになっているよね。この映画が大ヒットしてからのアンドレセンの人生は、見ていて哀しくなるほどでした。ゲイのアイコンにされ、弄ばれ、右も左も分からない10代の子に大人たちはアクセサリーのようにアンドレセンを連れまわし、わずかなお小遣いを与え、人権なんて完全に無かったんでしょうね。

でもこれ、日本のアイドルにも同じこと言えるよね。ジャニーズ事務所なんか、よくジャニーさんの目利きは素晴らしく、ジャニーさんがデビューOKと言わないとデビュー出来ないって話しも聞くけど、目利きでも何でもないよね。自分が気に入ったかどうか、ただの気まぐれでしょ!って思うわ。少年隊のヒガシや、キムタクなんか見てると、きっとジャニーさんも日本のタージオを探してたんじゃないかな?とも感じてしまうわね。当時、タイムリーで「ベニスに死す」を観た世代は、特に芸術面やら、エンタメなどで活躍している人たちにかなりの影響力があったと思う。現に、ベルサイユの薔薇のオスカルはタージオそのものだと映画の中で作者の池田理代子さんが言ってました。確かに!オスカルはタージオだわね。その外にも、竹宮恵子さんや、萩尾望都さんなんかも、きっと多大なる影響を受けていたと思う。

 

 

そんなタージオが映画後に日本で活動をしていた時期があったそうです。しかも、こんなダサい歌まで歌わされて(-_-;)日本での活動の時も訳の分からないオレンジの薬を渡され、元気が出るからと飲まされたそうです。きっと忙しい仕事を乗り切る為に覚せい剤か何かを飲まされたのでしょうね。完全に虐待ですね。

暫く公の場所から姿を消していたアンドレセンですが、2019年の映画「ミッドサマー」で突如、スクリーンに姿を現しました。当時の美しさはなく、すっかり白髪と皺のお爺ちゃんになってましたが、その顔立ちには彼の背負ってきた人生が刻まれているような気がしました。

 

とても辛く、哀しい映画でしたが敢えてそのように撮ってる感じも否めませんでした。彼の人生の中で楽しかった事もたくさんあったはず。そんな楽しかったエピソードも今後、インタビューでもなんでもいいので知れたらいいなと思いました。そうで無いと悲しすぎるし、救われないですからね・・・

 

 

 

おしまい(●´ω`●)