1984年 アメリカ映画
監督:ジム・ジャームッシュ
この映画、凄く好き嫌いが分かれるけど、私は大好きな映画です
何度も観ましたです
私なりの見解ですが、この映画が嫌いな人、訳分からなかったと言う人は
きっと、ストーリーに意味を求めようとするからなんじゃないかな~
でも、普通は意味を求めちゃうけどね(笑)
ハンガリー出身の若者がニューヨークで都会的な生活をするも
何もやる事が定まらず、ただやみくもに坦々と日々を過ごしているように
観賞する側も何も考えず坦々と観たらいいと思います
中身なんか無いって事を知った上で観る映画ですね(笑)
中身は無いし、有名な俳優は誰一人使って無いけど
ファッションとか、素直にカッコイイって思っちゃうんだよな~(*´∀`*)
じゃあ、何が面白いのかって言うと
間合い、虚無感、カラッカラに渇いた空気感
映像なんだけど音楽を感じる描写
全てが絵になってしまうようなカッコ良さ
特に間合いに関しては、ジム・ジャームッシュが
小津安二郎監督を尊敬していたらしく、言われてみれば
間の取りかた、小津映画の雰囲気がありますね
小津安二郎の映画も何でも無い日本人の日常を撮った物が多いけど
このストレンジャー・ザン・パラダイスも若者の退屈した
日常を撮った映画で「日常」って所でテーマは全く同じなのですよね・・・
でも、ジム・ジャームッシュの手にかかると小津作品を上手く消化して
全く異なる映画になっちゃう所が、センス有るな~って思ってしまいます。
この映画の中で、競馬予測をするシーンに馬の名前が「東京物語」
だったりする所を見ると小津をリスペクトしてるのが垣間みれますね
(↑東京物語は小津監督が撮った映画なのです)
感銘を受けるような台詞も無ければ、ストーリーもカラッポ(笑)
都会的なようで、どこか主人公達のドン臭さも感じてしまう
ハンガリーに居ても
田舎のクリーヴランドへ行っても
バカンスを求めてフロリダに到着しても
憧れの大都会ニューヨークで暮らしていても
結局は何処に居ても退屈極まりないって事
やる事と言ったらギャンブルばかり
若い時程「何か面白い事ないかな~」って口にしてしまうように
青春時代はどこか虚しさを感じるものなのかもしれませんね
そんな若者の虚無感がうま~く映像に表れていると思います
熱さも無ければ、上昇志向も皆無血気盛んな若者も出てきませんが
正しく青春映画です
この映画が公開された84年頃は(日本では86年公開です)はアメリカでは
歌の方はマドンナや、マイケルジャクソンなどがテレビを騒がしていた時代
そんな華々しい娯楽文化ありきの時に
この「ストレンジャー・ザン・パラダイス」は公開されたんだから
異色ですよね・・・
私の説明では全く分からないと思いますが(笑)
気になった方は一度お試しあれ~