anzuのブログ

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蟻の兵隊

 

 

 

前から見たいと思っていた「蟻の兵隊」をポレポレ東中野に観に行きました。今、映画館はコロナ対策で一つ席を開けての鑑賞となってます。映画館は話す人もいないし、絶対とは言えないけど比較的安全なんじゃないかなとは思うんだけどね。しかも私の観る映画はマイナーだから尚更人が少ないのでいい感じです(笑)と言ってもこの日は思ったより人いたなぁ。シニア層が多かった。

 

蟻の兵隊は2006年公開の映画。公開当時は私はこの映画の存在を知りませんでしたが数年前に一度は観なくてはならない映画と紹介されていて興味を持ちました。ポレポレ東中野はこう言った前に公開したドキュメンタリーなどをたまに上映してくれるのが有難い。ポレポレは無くしてはならない非常に良い映画館だと思います。

 

ワタクシ、ここのところNHK特集などでやっていた特集を録画して数年見ずに溜まってたんだけどコロナ引きこもり中に溜まってた録画を消化していきました。全て戦争ものです。

 

インパール作戦

ガダルカナル

沖縄戦

ノモンハン事件

東京裁判

 

などです。立て続けにこのような特集を観て戦争の本当の敵はアメリカなんかでは無く同国の日本人だったと言う事を目の当たりにさせられてガツンと打ち砕かれたようでした。南方の方の戦争末期の日本軍の状況はとても悲惨なものだったという話しを映画や本などで観たりもしましたが実際の真実に基づく証言や、アメリカなどにある機密文書や密約、当時日本軍の司令や天皇大本営でどういった話し合いがされていたのかなど明らかになればなるほど広島や長崎に原爆が落とされたのは未然に防げたし、東京大空襲沖縄戦だって行われずに済んだはずと思ってしまう。

 

反省しない、学ばない、謝らない、一度決めたら突き進む、行き当たりばったり、人権無視、人の命を軽く見る・・・

 

今のコロナ対策を見ても当てはまる事だらけ。今回観た「蟻の兵隊」は中国山西省の日本軍残留問題の事に触れているドキュメンタリーなのですが、正直私は戦争が終わったにも関わらず中国に残り日本軍として中国と戦っていた人達がいた事を知らなかった。自分の国の歴史なのに全く知らなかった。そして残留したのは自分たちの意思で残ったんだという事を日本政府は言い放ったんだけど、真実は全くそんな事は無く残るように命じられていたのだ。それを突き止めるべく当時残留させられた奥村和一さんが中国にも渡り一つ一つ証拠を突き止めていく。知れば知るほど日本政府は卑怯なやり方で黙殺していく。少し前に観た映画「花と兵隊」で戦争体験者が語っていたのは「戦争は銃で相手を殺す事だけではないんだ」と言っていた。戦後多くの戦争体験者が語りたがらなかったのは人を殺すって事以外にもきっと色々な問題があったんじゃないかなと思います。

 

私たちが学校で戦争の事を学ぶ時、日本は被爆国で原爆を落とされ罪もない一般市民がたくさん亡くなったって事を重視して学ぶ。それも勿論大事だけど日本兵は数多くの罪も無い中国人を虐殺した事、侵略戦争を行った事、慰安婦の問題、そして昭和天皇はなぜ罪に問われなかったのか、などもっともっと授業で教えるべきだと思う。

決して日本のしてきた事を悪とする見方だけでは無くて、きちんと侵略戦争の事も原爆で多くの市民が亡くなった事も同時に教えないといけないと思う。日本の戦争の歴史は大人になってから知ることが多すぎる。そして知れば知るほど死ななくて良かった人達が大半だったって事。やりきれない思いでいっぱいになりますね。

 

今年は戦後75年目。今日は敗戦記念日。戦争の無い世界なんて理想でしかないなんて事は絶対に思わない。そう思いたいです。

 

蟻の兵隊」深く深く考えさせられる映画でした。